引退車両を鉄道神社に 建立へファンらが「すす払い」

久保田一道
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 茨城県ひたちなか市のローカル線・ひたちなか海浜鉄道湊線の引退車両をご神体とする「鉄道神社」の建立に向けた作業が始まった。同線阿字ケ浦駅に3月27日、計画に賛同する人や鉄道ファンが集まり、はがれかけた塗装を落とした。今後は同じ色に塗り直して、近くに鳥居も建てる。5月中の建立をめざす。

 車両は同駅に停留されている「キハ222」。1962年の製造で、北海道の羽幌炭鉱鉄道での運行を経て、71年から湊線を走ってきた。2015年に引退。その後も阿字ケ浦駅にたたずみ、鉄道ファンに親しまれてきた。駅を拠点に活動する鉄道ファンの団体「三鉄ものがたり実行委員会」が車両を観光資源にする鉄道神社の計画を立ち上げ、昨秋にクラウドファンディング(CF)で塗装費用などを募った。

 3月27日には、団体に所属する鉄道ファンやCFに出資した人ら40人あまりが駅に集結。ブルーとクリーム色の車体に目立つ塗装のはがれを、金属製の器具で丁寧にはがす「すす払い」を楽しんだ。

 愛知県岡崎市から駆けつけた小林一茂さん(40)は、ひたちなか市に住んでいた頃に団体のメンバーとなり、ファン同士の交流を続けてきた。「全国に鉄道の名前が広まり、街に人が集まるとうれしい」(久保田一道)

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