バス共同経営きょう開始 全国初 

伊藤秀樹
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 熊本県内バス事業者5社による全国初となる路線バスの共同経営が4月1日、スタートする。1日から運用が始まるJR熊本駅前の新たなバス乗り場では3月31日、熊本市が記念式典を開催し、大西一史市長が「多くの方がバス、公共交通を利用する取り組みを全力で支援し、支えたい」と述べた。

 共同経営を始めるのは、九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バスの5社。独占禁止法の適用を除外する特例法が昨年11月に施行され、これに基づく5社の申請が3月、全国で初めて認可された。重複する熊本市内の路線調整やダイヤ見直しなどで各社の経営改善を図り、過疎地などの不採算路線からの撤退を防ぐ。

 4月以降、同じ区間であればどのバス会社でも乗車できる共通定期券や、サブスクリプション定額制)の考え方を用いた新サービスの導入を検討する。バス路線が最も重複する「電車通り」について市電とも連携し最適化を図るという。

 高田晋・熊本都市バス社長は式典で、「共同経営事業を通じて、新サービスにも挑戦し、バスの利用者が増え、公共交通に対する関心を高めたい」と述べた。大西市長は市内の交通渋滞解消や、運転免許証を自主返納した人の移動手段確保の観点からバスなど公共交通の利用者増を支援する考えを示した。

 JR熊本駅の駅前広場に新たに整備された新バス乗り場は「熊本駅白川口駅前広場バスのりば」。駅周辺3カ所に分散していたバス停を駅前広場の中に集約し、乗り場を方面別、路線別に配置。県内のバス停で初めて液晶画面に路線図時刻表、バスの接近情報などを表示する「スマートバス停」を導入した。

 式典では、4月3日から市が運行を開始する「まちなかループバス」もお披露目された。駅前、桜町バスターミナル、通町筋の三つのバス停を結ぶ1周約6・5キロを途中止まらずに約30分で回る。土日祝日のみの午前9時半~午後6時半、1日37便運行する。運賃は大人150円、小児80円。(伊藤秀樹)

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