台風被害の水郡線、1年5カ月ぶりに全線で運転再開
佐々木凌
2019年10月の台風19号の被害で一部区間が不通となっていたJR水郡線が27日、全線で運転を再開した。常陸大子駅(茨城県大子町)では記念式典が開かれ、地域の足の再開を喜び合った。
水郡線は台風で、久慈川にかかる橋が流出するなどの被害を受け、一時は常陸大宮以北で運転を見合わせた。昨年7月に袋田―常陸大子の1駅間を除いて運転を再開。そして新年度を間近に控えた27日、約1年5カ月ぶりに全線再開した。 記念式典には、大井川和彦知事らが出席。再開まではバス通学をしていた大子清流高校2年の菊池将矢さんが「多くの人の力で当初の予定より早く再開してもらえたことに感謝したい。夢や出会いを与えてくれる水郡線に誇りを感じています」と話した。
その後、参加者は横断幕を掲げ、列車を出迎えた。地元の子どもたちによる踊りなども披露され、駅前はお祝いムードに包まれた。旗を振って乗客を出迎えた大子町の農業、鈴木孝夫さん(77)は、台風で田んぼが浸水する被害を受けた。「水郡線の再開は復興の象徴で、何よりもうれしい。台風前のように、たくさんの人に大子に来て欲しい」と笑顔を見せた。