山交バスと庄内交通の全路線で交通系ICカード利用可に
西田理人
【山形】山交バス(山形市)と庄内交通(鶴岡市)、JR東日本は、交通系ICカードを使った乗車サービスの提供を2022年春から始める。県内2社が運行するバスの全路線と、山形市内を循環するコミュニティーバス「ベニちゃんバス」で、Suicaなどの交通系ICカードが利用可能になる。
発表によると、今回提供されるのは、JR東が地方のバス事業者と導入を目指す「地域連携ICカード」と呼ばれるサービス。鉄道の乗車券や電子マネーといった従来の機能に加えて、バスの定期券や運賃支払い、各種割引などの地域独自のサービスが1枚のカードで利用できるようになる。今春から岩手や栃木で利用が始まる予定で、来春には秋田や青森でも導入される見通し。
3社は導入のメリットについて、精算方法のキャッシュレス化で乗客の乗り降りがスムーズになるほか、感染症対策としても有効と説明。Suicaと相互利用可能な他の交通系ICカードでもバスを利用できるため、県外からの観光客にとっても利便性が向上するとしている。なお現時点では、仙台市交通局が発行する「icsca」や、福島交通の「NORUCA」は利用できない見込み。
今後、県の支援事業(約5・7億円)や国の補助制度を活用して、バス車内への読み取り機器の設置などを進める。導入後は乗り降りのデータを活用して、運行経路やダイヤの見直しにも取り組むという。