予約で走るオンデマンドバス 大阪市南部で試行

鈴木智之
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 ダイヤや経路を定めず、利用者の予約に応じて柔軟に走る「オンデマンドバス」の社会実験を、大阪メトロと大阪シティバスが30日から大阪市生野、平野両区で始める。大阪市内では初めてといい、高齢者らの利便性向上が期待される。

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 両区では24日、記念セレモニーがあった。生野区では松井一郎市長らがテープカットし、「(オンデマンドバスを)市域全体に広げていきたい」と述べた。

 オンデマンドバスは1972年に阪急バスが能勢町で導入したのが最初とされる(97年に廃止)。現在は各地で運行されている。利用者はダイヤを気にせず、自分の都合に合わせて移動でき、事業者にとっても効率的な運行ができるという利点がある。

 今回の実験は大阪市が募集した。バスが走るエリアは3カ所で、生野区西部(3平方キロ)▽平野区加美周辺(5平方キロ)▽同区長吉東部周辺(2平方キロ)。高齢者が多いうえ、道路が入り組み、移動しにくい地域を選んだ。

 運行は午前6時~午後11時。既存のバス停を含め、約300メートルごとに乗降場所を設ける。AI(人工知能)技術で、予約状況に応じて最も効率的なルートを決める。運賃は210円(子ども110円)。

 セレモニーに参加した生野区地域振興会の多田龍弘会長(76)は「敬老優待乗車証が使えず、エリア外には行けないなどの課題はあるが、遠いバス停まで歩かなくても乗れるのはうれしい。多くの住民に使ってもらいたい」と期待する。

 実験は9月末までの予定。予約は電話(0570・08・6600)で30日午前7時から受け付ける。スマートフォン用アプリ「Osaka MaaS 社会実験版」では平野区が29日、生野区が30日から予約できる。アプリでは、バスや鉄道、シェアサイクルなどを含めた乗り換え検索もできる。(鈴木智之)

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