紀州へら竿、見て作って 紀伊清水駅に工房 体験や見学

高田純一
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 ヘラブナ専用の釣りざお「紀州へら竿(ざお)」を作る工房が、南海高野線紀伊清水駅和歌山県橋本市清水)の一角に設けられた。見学のほか、制作の体験(有料)もできる。

 へら竿を観光客らにアピールしようと、職人でつくる紀州製竿組合(米田護組合長)が2月22日に開いた。南海電鉄が駅舎を改修するなどして後押しをした。

 紀州へら竿は、2013年に国の伝統的工芸品に指定された。紀伊山地で自生する高野竹など3種類の竹を使う。竹を組み合わせる「生地組み」、竹を真っすぐにして締める「火入れ」、穂先削り、漆塗りなどの工程は手作業のため一本も同じ物がないという。

 紀伊清水駅は10年から無人。「匠工房」と名付けられた工房(約45平方メートル)は、駅員の休憩室などを改修した。職人がさおを作る様子を見学でき、仕上げられたさおの展示もしている。

 予約すれば、職人の指導を受けて火入れや穂先削りの体験ができる。組合員で伝統工芸士の和佐成記さん(50)は「気軽に集まれる駅で活動しているので、へら竿とは何かを知りに来てほしい。体験も、本格的に学びたい人も歓迎している」と話す。

 南海電鉄によると、紀伊清水駅は1925年に完成した木造平屋建て約125平方メートル。建物の基礎部分にはれんがが使われ、大正時代の名残を残す。南海電鉄の担当者は「高野山への観光客らに途中下車してもらいたい」と話した。

 工房は火~木、土曜の午前8時半から午後4時半。体験は1人2600円(1時間)。1組5人以上なら日、月曜もできる。見学は無料。申し込みは高野山麓(さんろく)ツーリズムビューロー(080・2420・8983)。(高田純一)

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