沿線9温泉で「鉄道温泉郷」 秋田内陸線

加賀谷直人
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 秋田内陸縦貫鉄道沿線にある秋田県北秋田市仙北市の九つの温泉宿が「鉄道温泉郷」として売り出す。コロナ禍で大きく落ち込んだ観光需要の回復と、両市の観光価値の向上が目的だ。「お湯鉄のススメ」と銘打ち、13日から特典付きの湯巡り企画としてスタートさせる。

 鷹巣阿仁青年会議所などで構成する「やってみよう!北秋田 北秋田地域素材活用推進協議会」が温泉宿の協力を得て企画した。鉄道ファンには写真を撮る「撮り鉄」、乗るのが目的の「乗り鉄」などがあるが、新たな流派として「お湯鉄」を提唱する。

 協議会が温泉に着目したのは、新型コロナとともに生きる時代の旅のスタイルとして、個人型、分散型、通年型に向いているためだ。また、沿線の自然や地元の人たちの秋田弁の会話など、ローカルな雰囲気を体感できることも魅力だという。

 温泉郷加盟の宿を利用すると、内陸線の車両、お風呂の写真と効能が書かれた「鉄道温泉カード」がもらえる(日帰り入浴も可)。阿仁合駅でもらえる「鉄道温泉カード」1枚を加えて10枚そろえると、先着100人にシリアルナンバー入りの秋田杉製マイスターカードをプレゼントする。

 オリジナルの「湯めぐりタオル」も税込み千円で販売する。購入すると当日の入浴料が無料になる。このタオル持参で加盟宿の入浴料が来年3月31日まで50円割引になる。毎月26日(ふろの日)には、内陸線で「温泉郷ヘッドマーク」をつけた車両を運行する。

 2日にあった企画の説明会で、来賓として出席した田沢湖・角館観光協会の佐藤和志会長(鶴の湯温泉会長)は「小さい宿が一緒になれば相乗効果がある。コロナ禍が落ち着けば、人が行かない所に行くようになり、需要はある」と期待を語った。

     ◇

 鉄道温泉郷の加盟宿は次の通り。

 【北秋田市】伊勢堂岱温泉縄文の湯、阿仁川あゆっこ温泉、阿仁前田温泉クウィンス森吉、湯の沢湯本杣温泉旅館、奥の湯森吉山荘、打当温泉マタギの湯

 【仙北市】西木温泉ふれあいプラザクリオン、角館温泉花葉館、あきた芸術村温泉ゆぽぽ(加賀谷直人)

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