手仕事の魅力伝える 阿波海南駅前で手工芸品の展示販売
徳島県海陽町の阿波海南駅の駅前に、県内の手工芸品作家らの作品を展示販売する常設スペースができた。駅は、阿佐海岸鉄道が今夏までの運行開始を目指しているDMV(デュアル・モード・ビークル)が鉄道とバスの走行モードを切り替え、JR牟岐(むぎ)線と接続する拠点になる。訪問客に阿波の手仕事の魅力を伝える空間づくりに取り組む。
展示販売スペースは、事務用品や文房具販売を手がける「一哉(いっさい)」が、店舗の1階部分約80平方メートルを徳島市地場産業振興協会に無償で貸し出し、2月26日にオープンした。
開設を記念して「海陽町と徳島の地場産品展」が14日まで開かれている。海陽、牟岐、那賀の各町と徳島市から計12の作家や企業が出品した。椅子など漆塗りの指し物家具や遊山箱、藍で染めた木や竹の器、アクセサリー、藍染め・泥染めの服飾雑貨など約500点が並んでいる。
藍染めのストールや腹巻き、お茶などを出展している海陽町の衣料品メーカー「トータス」の販売部マネージャー、生垣ひとみさん(42)は「工芸品を見る機会や、直接見て買える場がこの辺りでは、なかなかなかった。いい場所ができた」と喜んだ。
協力した「一哉」の谷崎久仁夫会長(73)は「DMVで交流人口が増えると思う。素晴らしい手作りの品を応援することで、にぎわいが地域に生まれるのでは」と期待している。
徳島市地場産業振興協会は拠点としていた市立木工会館が昨年廃館となり、手工芸作品を発表できる場を募集していた。これまでに徳島市の飲食店と革細工店、吉野川市の呉服店がミニ拠点となり、海陽町が4カ所目になる。
問い合わせは協会(088・626・2453)へ。