旅客激減の地方空港、国際貨物に活路 地元産品を海外へ

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北川慧一 松本真弥
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 コロナ禍で旅客需要が落ち込む中、航空貨物を強化する動きが広がっている。北九州空港では国際貨物の取扱量が前年度から倍増。物流施設の拡張に乗り出す。西日本鉄道福岡空港近くに物流倉庫の新設を検討している。地の利を生かして自動車や半導体関連部品、生鮮品などの九州産品を海外に売り込み、活路を見いだそうとしている。

 周防灘沖の北九州空港に今月5日午後8時すぎ、韓国・仁川空港から大韓航空の貨物専用機が約5時間遅れで到着した。機内から作業員が車両に荷物を移し替え、倉庫に運び入れた。

 一息つく間もなく、精密機械や半導体原料のシリコンウェハーなど輸出品の積み込みが始まった。高価な半導体製造装置を取り扱うこともある。

 積み替え作業が終わり、北九州空港を飛び立ったのは午後11時前だった。「貨物便は大幅に到着が遅れることもあるので、24時間使える海上空港は強みがある」と北九州市空港企画課の田原温課長は話す。全国で24時間発着できる空港は羽田など6カ所しかない。

北九州空港、国際貨物が倍増

 北九州空港では、貨物機の到着から出発まで通常約3時間かかる。航空機の稼働効率を高めたい航空会社は、作業時間をより短くするよう求めるため、時間との勝負になる。作業時間は空港の設備や作業員の人数、熟練度合いによって左右されるといい、田原課長は「仁川に近い立地を生かすためにも、より作業を短縮させたい」と意気込む。

 2020年度の北九州空港の国際貨物取扱量は、過去最高だった19年度の5537トンから倍増する見込みだ。背景には、高速通信規格「5G」関連の投資で伸びる半導体部品や製造装置などの需要拡大がある。

 大韓航空は昨年12月に週2…

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