青梅線沿線で古民家ホテル事業、JRが実証実験へ

佐藤純
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 過疎化と高齢化が進むJR青梅線沿線で空き家になっている古民家をホテルに改修し、沿線の活性化につなげる事業「沿線まるごとホテル」に、JR東日本八王子支社が乗り出した。東京都奥多摩町に隣接する山梨県小菅村の古民家ホテルと協力し、2~3月に実証実験をする。

 企画では、青梅線の駅を、ホテルのフロントやロビーに位置づける。周辺の自然豊かな景観や史跡、食材、落ち着いた古民家ホテルでの宿泊などを組み合わせ、楽しんでもらうサービスを提供する。

 小菅村で古民家ホテルを手がける千代田区の企業「さとゆめ」は昨年、ベンチャー企業などに新規事業を募るJR東日本のプログラムに応募し、「沿線まるごとホテル」のアイデアが優秀賞に選ばれた。八王子支社は青梅線青梅―奥多摩間を「東京アドベンチャーライン」としてPRしており、協力して実証実験をすることになった。

 期間は17日~3月31日。玄関口になる無人駅の白丸駅でホテルのスタッフが出迎え、旅行者はここでチェックインをする。送迎車で小菅村に向かう途中の集落に立ち寄り、多摩川の景色を楽しみ、わき水やワサビ田、神社などを散策する。青梅線沿線で生産された食材を使った夕食を味わい、築150年の古民家を活用したホテルに泊まる。翌日、奥多摩駅に送ってもらいチェックアウトする。

 1日2組(計4人)まで。支社は30代から40代の女性客やカップルを想定している。1泊2食付きで1人2万7千円(税別)。

 支社は実験を通して事業として成り立つかどうか検討する。見通しがつけば、地元自治体や住民の協力を仰いで青梅―奥多摩間でこうした事業を展開する構想を持っている。すでに自治体から空き家の紹介を受けており、ホテルにふさわしいかどうか今後検討するという。(佐藤純)

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