JR吉備線LRT化、コロナ禍で中断 再開めど立たず
【岡山】利用者の減少を受け、3年前に合意したJR吉備線(岡山―総社、20・4キロ)の次世代型路面電車(LRT)化計画。2028年運行開始をめどに岡山市、総社市、JR西日本の協議が進められてきたが、9日、コロナ禍で中断することが決まった。再開のめどは立たず、計画の遅れは必至の状況だ。
当初の予定では、運賃などの「基本計画」を昨年度中にも完成させる予定だった。しかし計画見直しなどで遅れが生じ、さらにコロナ禍で税収や収入が減少したことが大きく影響し、今も固まっていない。
LRTは床を低くして騒音や振動を和らげた路面電車。高齢者が乗り降りしやすいとされ、国内では富山市で2006年から運行しているほか、宇都宮市などで導入が検討されている。吉備線はJRが既存路線をLRT化し、その後も運営に関わる計画で、地方路線の維持に向けたモデルケースとされている。
LRT化は18年に合意。吉備線に8駅を新設するほか、ピーク時の運行本数を今より倍増させる。自家用車を使っている沿線住民らの利用を促し、吉備線と並行する国道180号の渋滞解消も狙うもの。
計画では、車両費などの初期費用は約240億円とされ、うちJR西が24%(58億円)、岡山市が29%(70億円)、総社市が9%(21億円)を負担する。残りは国の補助金などでまかなう予定。
9日の協議後、岡山市役所で記者会見があり、岡山市の大森雅夫市長らが説明。大森市長は、(中止ではなく)LRT化を進めることは変わらない▽3者の財政状況を踏まえ、基本計画の策定は中断▽再開は感染の収束状況をみて検討――と決まったとした。
JR西岡山支社の平島道孝支社長は「LRT化は沿線のまちづくりとも一体になった計画。関係人口の拡大にも寄与する大切な選択肢で、計画を進めていく気持ちには変わりない」と強調。総社市の片岡聡一市長も「地域住民への説明など、中断中でもできる作業はある」と再開に意欲を示した。
今後は22年度の予算編成の時期の再開を目標に、調整していくという。
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