JR西労組、ベアの要求を見送り 組合設立以来で初

神山純一
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 西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)は4日、2021年春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の要求を見送ると決めた。昨年は月額3千円のベアを要求したが、コロナ禍による経営悪化で断念した。見送りは1991年の組合設立以来初めて。

 一時金の要求も昨年の年5・7カ月分から3・5カ月分に引き下げた。定期昇給は従来通り実施を求める。こうした内容を5日に会社側に申し入れるという。

 JR西労組は、JR西の全社員の約95%を占める約2万8千人が加入する。上村良成委員長は「コロナで経営が厳しい現状を踏まえ、雇用と生活を守ることを最優先した」と話した。

 JR西の20年4~12月期決算は、コロナ禍での鉄道利用の減少が響き、最終的なもうけを示す純損益が1618億円の赤字(前年同期は1171億円の黒字)に転落。21年3月期の純損益も2400億円の赤字予想で、過去最大の赤字幅になる見通しだ。コスト削減に向け、社員の一時帰休や新幹線、特急の減便などを進めている。(神山純一)

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