世界初の振り子式気動車が引退 2000系特急型

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福家司
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 世界初の振り子式気動車で、JR四国の発足直後から活躍している2000系特急型気動車が、3月13日のダイヤ改定で、岡山・高松と高知を結ぶ特急「南風」「しまんと」から引退する。

 2000系は山岳区間でカーブの多い土讃線の速度向上を目指し、JR四国が鉄道総合技術研究所と共同開発した。振り子式の車両は、カーブで車体を内側に傾けることにより、通常の車両より高速でカーブを通過できる。

 1989年に量産に向けた試作車のTSE(3両)が完成。89~92年に2000系58両、95~98年には改良型のN2000系16両が製造され、土讃、瀬戸大橋、高徳、予讃の各線と土佐くろしお鉄道の特急「南風」「しまんと」「あしずり」「うずしお」「宇和海」などで活躍を続けてきた。

 「南風」に2000系が投入された90年11月、岡山―高知間は最速2時間18分となり、36分短縮された。瀬戸大橋開通前の86年に比べれば、1時間38分の大幅短縮が実現した。

 しかし、後継車両となる2600系、2700系の登場により、2000系(N2000系)は「うずしお」での運行を2020年に終了。一部列車で残っていた「南風」「しまんと」も3月のダイヤ改定で全便が2700系に置き換わる。

 現役で残る2000系は、土佐くろしお鉄道に直通する土讃線の「あしずり」(高知―中村・宿毛)と予讃線の「宇和海」(松山―宇和島)。JRによると、両列車の2000系車両は台車の更新を実施しており、今後も10年以上、走り続ける見込みという。(福家司)

試作車にはカラオケ? 無理かと思えた振り子式

 2000系車両の開発当時、経営企画室長として取りまとめ役を担ったJR四国元会長の松田清宏顧問(73)に、開発の経緯や背景を聞いた。

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