バス初乗り、高齢者は半額に 岡山市の法定協

華野優気
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 岡山市やバス事業者が公共交通のあり方を探る法定協議会が1日開かれ、バス運賃について、高齢者や障害者の割引と市中心部の値上げについて合意した。一方、検討を進めてきた重複路線などの再編については、コロナ禍で当面、協議を中断することになった。

 法定協の設置は2018年5月。市内に路線バスを乗り入れる9事業者が参加している。

 市は昨年10月の法定協で、事業者が重複する路線などの再編▽市中心部の初乗り運賃を10~50円値上げし、150円程度に▽高齢者と障害者の運賃を市負担で半額に――のプランを示し、今年度中の成案取りまとめを目指し調整していた。

 1日は初乗り運賃値上げについて8事業者が賛同。事業者間で協定を結び、検討していくことになった。高齢者らの運賃割引も全9事業者が賛同し、値上げと合わせて21年度中に始めることでまとまった。

 一方、路線再編は、コロナ禍で利用者減が続く事業者側から慎重な議論を求める声が相次ぎ、当面協議を中断すると決定。再開は、事業者側の態勢が整った時点と決めた。

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 一方、法定協では、参加する八晃運輸(岡山市)が十分な協議なしに、国に対してJR岡山駅東口への路線延伸を申請したとして、岡山電気軌道(同)など7事業者から市の対応を求める声があがった。

 八晃運輸は市内で循環バス「めぐりん」を運行。申請は1月に行った。7事業者は、コロナ禍での路線延伸方針は新たな競争を引き起こしかねないとして協議会で事前に検証されるべきだと主張。市が主導するよう求めた。

 これに対し市側は「事業者の申請は妨げられない。国が判断するしかない」と要望を退けた。岡山電気軌道の小嶋光信社長は「法定協は地域のルールだ。自由に申請できるなら(法定協は)いらない」と述べた。

 八晃運輸の成石敏昭社長は「市場から1社を排除するような他社の行動は、独占禁止法に違反するのでは」と反論した。

 大森雅夫市長は法定協後の取材に「安全性に問題がないなら、(八晃運輸の)乗り入れは利便性向上につながるものだ」と述べた。(華野優気)

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