「人と人つなげる機会を」また旅くらぶ代表・高木さん

吉備彩日
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 高木(たかぎ)まゆみさん(53)は旅行会社「また旅くらぶ」の代表。豪雪を楽しんだり、農作物の収穫体験をしたりといった地域に密着したツアーを開催している。

 青森県今別町出身。会社を設立する前、津軽鉄道沿線ににぎわいを取り戻す活動に関わり、住民たちが分担して手料理や地元の案内などで参加者をもてなすツアーを開催したところ、青森市内から訪れた人が「車で通り過ぎるだけで(地域の魅力に)気づかなかった」と喜んでくれた。その様子を見た地元の人たちも涙を流して喜んだという。

 その経験が、会社設立のきっかけになった。「迎えた人たちから、今度はこうしてあげたい、という声が出た。その『今度』の機会をつくりたいと思ったんです」

 その原点がツアーのスタイルに表れている。「私のツアーには、行く先々で必ず迎えてくれる人がいるんです」。昨年11月に開催した「あおもり藍お花見」ツアーでは、参加者は藍染め職人の工房で染め体験をしたり、農家から藍栽培にまつわるうんちくを聞きながら藍の花を摘んだりと、さまざまな体験をした。

 一番の目的は、訪れた人と地域の人をつなぐこと。「ツアーは迎える側とお客さんがコミュニケーションをとるための手段。体験自体は、なんでもいいんです」。自身もコーディネーターとして全てのツアーに同行し、一緒に話を聞いて笑ったり、質問をしたりする。「私も客みたいなもの。旅行会社っぽくないでしょ」

 企画は「次はこんなことができそう」と地元から提案されることがある一方、「次はこんなことをやってみたい」と参加者側から要望されることもあるという。

 「これまでも、これからも私のスタイルは変わりません。青森のことを、地元の人たちにも外の人たちにも知ってもらいたい」(吉備彩日)

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