早期の部分運行再開を検討 豪雨被災の「くま鉄」協議会

村上伸一
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 7月の記録的豪雨で被災し、全線運休が続く球磨川流域市町村の第三セクター、くま川鉄道(本社・熊本県人吉市)の復旧・復興を目指すくま川鉄道再生協議会の設立総会が25日、人吉市内であった。被害の少ない路線で部分運行の再開を検討することや、復旧費の97・5%の支援を国に求めるなどの方針を確認した。

 同鉄道は人吉温泉(同市)―湯前(湯前町)間の全線24・8キロのうち、人吉温泉―肥後西村(錦町)間5・9キロで広範囲に土砂が流入し、国登録有形文化財の球磨川第四橋梁(きょうりょう)が流失、保有する全5車両が浸水した。通学に使う高校生約800人を中心に代替バスを運行しているが、部分運行を求める声が増えていた。

 再生協メンバーの県によると、総会では被害の少ない肥後西村―湯前間でできるだけ早い時期に部分運行を再開するため、技術・経費面の検討を詰めていくことに合意した。

 同鉄道の被害額は46億円前後とみられており、国が97・5%を支援する「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業」の活用を検討する方針も確認。活用できる場合は施設や車両を自治体が保有し、運行は事業会社が担う「上下分離方式」の導入が条件になる。

 また、来年の梅雨期までに第四橋梁の橋げたの撤去を目指す方針も確認した。

 再生協は人吉球磨地域の10市町村と県、同鉄道で構成。会長に田嶋徹・副知事、副会長に松岡隼人・人吉市長と長谷和人・湯前町長がそれぞれ選ばれた。(村上伸一)

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