年末年始の帰省シーズンが26日、始まった。新型コロナウイルスの影響で新幹線の利用が落ち込み、JR東京駅では例年のような混雑は見られなかった。

 26日午前、東京駅の東海道新幹線ホームには帰省客らの姿があったが、列車を待つ人の列は短く、列車は空席が目立った。半年前に出産した息子と神戸に帰省する東京都杉並区の会社員の女性(34)は「ガラガラですね」と驚いていた。感染が拡大し、帰省するかどうか悩んだという。周囲の反応を恐れ、「地元の友達には帰ると知らせていない」と話す。

 東京都足立区の会社員女性(27)は、1年ぶりに滋賀の実家に帰る。「ゴールデンウィークも帰りたかったが、医療従事者の親がOKしなかった」。帰省を決めた後に都内の感染者数が増え続け、国内では新型コロナの変異種も確認された。「タイミングが悪かったかなあ」と複雑な表情を浮かべた。

 JR東海によると、感染拡大や政府の観光支援事業「Go To トラベル」一時停止の影響を受け、年末年始(12月25日~来年1月5日)の東海道新幹線指定席の予約は22日時点で前年比25%にとどまる。26日午前の東京駅発下り列車の自由席乗車率は「のぞみ」で20~60%、「こだま」で10%以下だった。

 羽田空港第1ターミナルも26日午前、混み合う様子は見られなかった。航空各社によると、18日の発表時点で年末年始(12月25日~1月3日)の国内線の予約者数は前年比45%減の計約174万人、国際線は95%減の計約3万人だった。(一條優太)