リニアで国に要望書 大井川流域の10市町長ら 静岡

和田翔太
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 リニア中央新幹線の建設工事をめぐり、静岡県内の大井川流域10市町の首長らと国土交通省との意見交換会が20日、島田市内であった。首長らは連名で、工事に伴い影響が懸念される大井川水系の水質や南アルプスの環境の保全に関する要望書を国交省の上原淳鉄道局長に提出した。

 国の有識者会議をめぐり、工事に伴って生じる水質悪化などのリスクに関して、十分に納得できる説明がなされていないことなどを理由に提出。要望書では、水資源の確保と水質の保全に万全を期すこと、国の有識者会議で分かりやすいデータの提示と説明を求めること、流域住民の懸念に応えるようJR東海の指導を徹底することなどを求めている。

 会議後、取材に応じた上原局長は「流域住民の大井川の水に対する思いなど、いろんな意見をいただいた。鉄道局のこれからの監督・検討に生かしていきたい」と話した。また国の有識者会議終了後に出される「座長コメント」については「指摘があったことに関しては改善していきたい」とした。

 国の有識者会議の「座長コメント」をめぐっては、県が16日、「県民に不信感を与える恐れがある」として、改善を求める文書を国交省に送っていた。(和田翔太)

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