新幹線開業遅れ 半年短縮案 谷本知事「前進」 石川

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 開業が2023年春から遅れる見通しとなっている北陸新幹線の金沢―敦賀間について、国土交通省の有識者会議が9日に工期の遅れを半年間短縮させ、費用も約200億円圧縮する検討案をとりまとめた。「一定の前進」「大変遺憾」。沿線自治体からは様々な受け止めが広がった。

 金沢―敦賀間を巡っては、国交省は11月、加賀トンネルで見つかったひび割れや、敦賀駅の工事の難航などを理由に、開業時期が1年半遅れ、追加費用が2880億円かかるとの見通しを提示。沿線自治体から強い反発を招いていた。

 そんな中、有識者会議が今回示した工期の遅れを半年間圧縮させる案。石川県谷本正憲知事は9日の報道陣の取材に「一定の前進と受け止める」と評価する姿勢を見せた。ただ、福井県の杉本達治知事は同日、遅れが1年に短縮されても影響は大きいと指摘。「23年春の開業をあきらめずに訴えていく」と当初の予定通りの開業を訴えた。

 追加負担を約200億円圧縮する案については、谷本知事は「(圧縮前と)ほとんど金額は変わらず、遺憾だと言わざるをえない」と批判したものの、「全部国でカバーして欲しいが、そうしなければ敦賀開業を認めないという話ではない」「敦賀開業を我々も急いでいる。この件が解決しなければ、開業が延びていいとは毛頭考えていない」とも言及。11月に問題が明るみに出て以来、追加負担を頑として拒否する姿勢からトーンダウンさせた。

 富山県の新田八朗知事は9日にコメントを発表。「専門家による検討が真摯(しんし)に行われたことは評価するが、1年程度の遅延等を内容とする中間報告は遺憾である。沿線自治体の負担が極力生じないよう適切な措置を講じることなどについて強く求めていく」としている。

 有識者会議の検討案を受け、北陸3県の知事らは11日に上京し、赤羽一嘉国交相や自民党の国会議員らに、地方負担分への国の配慮を求めて緊急要望する。敦賀―大阪間について予定通りの23年度に着工することにも言及するという。

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