近鉄、運賃の値上げ検討 実施すれば95年以来

神山純一
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 近鉄グループホールディングス(HD)の安本幸泰(よしひろ)副社長は12日、傘下の近畿日本鉄道で運賃を値上げする検討を始めたと語った。対象となる路線や値上げの幅は「具体的にはまだ」としつつ、「コロナ禍の影響が長期化し、収支改善の努力を尽くしても採算が厳しいときに備える」とした。

 近鉄が値上げに踏み切れば、消費増税の転嫁を除いて1995年以来となる。今後、時間帯別の利用客の状況を分析して減便などもあわせて考える。

 近鉄グループHDが同日発表した2020年9月中間決算は、売上高が前年同期比54・0%減の2819億円、純損益は314億円の赤字(前年同期は210億円の黒字)に転落した。同期間の鉄道の旅客収入は同44%減で、長距離を走る在来線特急は同63%の落ち込みだった。

 運賃の値上げについてはJR四国も8月に検討を表明している。実施には国の認可が必要になる。(神山純一)

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