久大線、今年度中に全線再開 JR九州が費用負担へ

原篤司 中島健
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 今年7月の豪雨により一部区間の不通が続く久大線の全線が、今年度中に運転再開される見通しとなった。28日の記者会見で、JR九州の青柳俊彦社長が「久大線は通勤・通学者も多く観光路線でもあり、重要視している」と、早期の復旧を表明した。復旧にかかる費用は全額JR九州の負担になる見通し。

 今も不通となっているのは、豊後森(玖珠町)―庄内(由布市)間の約41キロ。復旧工事では、この区間内にある第一野上川橋梁(きょうりょう)(九重町、長さ約53メートル)は橋桁をいったん外し、傾いた橋脚を立て直す。流失した第二野上川橋梁(同、長さ約39メートル)は作り直す。他にも、豪雨で流れた線路の盛り土を元に戻す作業などを実施する。

 JR九州によると、復旧のための費用は久大線全体で約20億円。鉄道軌道整備法が適用されれば国・県の補助を受けることができるが、青柳社長は「自力復旧になる」と話している。19年度の久大線の路線収入は約21億円で、補助が受けられる条件の「路線の収入以上の被害額だった場合」に合致しないという。

 145カ所の被害が出たとされる久大線は被災直後、日田―向之原(由布市)が不通となった。8月8日に、日田―豊後森、8月29日に庄内―向之原が再開したが、由布院を挟む豊後森―庄内は復旧の見通しが示されていなかった。(原篤司、中島健)

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