BRT決定3カ月、不通の日田彦山線沿線振興策で初会合

山田佳奈 原篤司
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 2017年の九州北部豪雨で被災し、不通になった日田彦山線の添田(添田町)―夜明(大分県日田市)間の復旧がバス高速輸送システム(BRT)に正式決定して約3カ月。今年8月に着工し、専用道の敷設などのための測量作業が続いている。22日には、地域振興を協議する福岡県日田彦山線沿線地域振興推進協議会の初会合が福岡市内で開かれた。来年2月をめどに地域振興計画を策定する。

 会合で添田町の寺西明男町長は、鉄道からBRTバスへの乗換駅になる添田駅前を再開発し、歓遊舎ひこさん駅周辺を健康、交流の拠点に、彦山駅は自然景観や「山伏の里」としての歴史と文化を生かした観光の拠点とする振興策を紹介。「BRTが走って良かったと思える整備を考えていきたい」と述べた。

 東峰村の渋谷博昭村長は、沿線の景観づくり、災害伝承館の設置、新たな観光ルートづくりの三つに「特に重点的に取り組みたい」と表明。筑前岩屋―宝珠山間のBRT専用道沿いにサクラやモミジなどを植え、観光道路としての魅力を高める案などを紹介した。

 復旧を巡っては、JR九州が彦山―筑前岩屋の7・9キロをBRT専用道とする案を示したが、県は彦山―宝珠山の14・1キロとする延伸案を提示。最後まで鉄道復旧にこだわっていた東峰村も最終的に県の案に同意した。

 東峰村が筑前岩屋―宝珠山間も専用道とする案に同意したのは、村の観光名所である四つの「めがね橋」を通っていることも大きい。鉄道橋として使われてきたが、専用道に使われないとなると、築80年を超える多連アーチの美しい橋の存続が危ういと考えたという。

 BRT専用道の工期は3年。その間の交通手段の確保も急務だ。東峰村では今も日田彦山線の不通区間に代替バスが1日17本走っているが、高齢者らからは「バス停まで行く足が欲しい」という声が高まっているという。

 村は、利用者の希望に応じて運行する「オンデマンドバス」導入の検討を開始。BRT開通後も引き続き使う前提だ。村企画政策課によると、11月にも検討会を立ち上げる予定で、メンバーの人選を進めている。定員8~10人程度のワゴン車を購入し、国補助は見込めるものの、基本的に村の予算で運行する想定だ。(山田佳奈、原篤司)

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