新潟交通、大幅減便へ 来年度以降路線廃止や値上げも

高橋俊成
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 新潟市内全域で路線バスを運行する新潟交通は16日、平日で約12%減らすなどとする過去最大規模の減便を発表した。来月21日から始める。コロナ禍による乗客減で経営が悪化し、同社は9月、走行距離を維持する規定の一時凍結で同市と合意していた。来春以降の路線廃止や運賃値上げも検討する。

 16日に記者会見して発表した。運行する40路線の総便数(1日あたり)は、平日が今より411便(約12%)少ない2959便に、土休日は333便(約15%)少ない1934便になる。このうち、前年同期より利用客の減少が特に大きかった市西部方面への便は、平日・土休日とも今より約15%減らす。

 最終便の時刻繰り上げにも踏み切る。宴会の自粛などで深夜帯の利用客が減ったのが理由で、対象は20路線、繰り上げ時間は最大で50分程度となる。例えば、新潟駅前(中央区)→西部営業所(西区)の最終便は出発時刻を午前0時12分から午後11時42分に変える。始発便の出発時刻も、13路線で平均20分繰り下げる。

 また、バス高速輸送システム(BRT)として一定間隔で運行している新潟駅前―青山(西区)間も、平日は約20便、土休日は約15便減らす(1日あたり)。詳しいダイヤは23日に同社ホームページで公表する。

 同社乗合バス部の和田徹部長は「(経営は)危機的状況と言わざるを得ない。これだけの本数を一度に減らしたことはない」と話した。同社の2020年4~6月期決算は売上高が前年同期比47・3%減の24億円にとどまり、本業のもうけを示す営業損益は10億円の赤字に陥った。運転手不足も減便の理由という。

 新ダイヤに移ると、同社路線バスの年間走行距離は今の「約964万キロ」から「約850万キロ」まで減る。「必要な設備を市が用意し、重複路線の効率化で郊外路線を増便する」などの内容で14年に市と結んだ協定で、同社の年間走行距離を「957万キロ以上」と規定。しかし、経営改善を優先して今年9月に規定を21年度末まで凍結した。

 中原八一市長は「厳しい経営状況を乗り越えるためにはやむを得ない。今後も地域の交通ネットワークの維持に務めていただきたい」とする談話を出した。(高橋俊成)

ダイヤ改定のポイント

・平日は12%、土休日は15%減便

・始発便の出発時刻を平均約20分繰り下げ

・最終便の出発時刻を最大約50分繰り上げ

・路線廃止や運賃値上げはしないが、来春以降の実施を検討

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