近ツリ、パンフ制作費水増し JRから7千万円不正受領

狩野浩平
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 近畿日本ツーリスト関西(大阪市)と同中部(名古屋市)の2社が旅行パンフレットの製作費を水増しし、JR西日本から販売促進支援金として約7千万円を不正に受け取っていたことがわかった。近畿日本ツーリスト側はJR西に損害賠償して謝罪し、2社の担当者を懲戒処分にしたほか、当時の社長らも処分した。

 持ち株会社の「KNT―CTホールディングス」(東京)によると、パンフレットは鉄道を利用した旅行プランを紹介するもので、JR西が販売促進支援金として製作費を一部負担していた。2社は2008年から、見積額を水増ししたり部数を実際より多く伝えたりして、差額を不正に受け取っていた。

 18年2月、近畿日本ツーリスト関西の担当者が水増しを相談する内容の社内メールをJR西に誤送信し、発覚した。近畿日本ツーリスト側の内部調査では、資金の私的流用は確認されず、担当者は「売り上げ成績を上げるためだった」と説明したという。同年9月、JR西に対して謝罪した。

 KNT―CTホールディングス総務広報部は取材に「水増しが常態化し、罪の意識が薄くなっていた。再発防止とコンプライアンス意識の向上に努める」と話した。(狩野浩平)

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