留萌線一部存続なら「年間赤字3億円」 JRが試算

本田大次郎
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 JR北海道が廃止・バス転換をめざす留萌線(深川―留萌、50・1キロ)について、沿線自治体会議が1日、開かれた。会議にはJR北も参加し、沿線市町が求める深川駅から沼田町内の間を存続した場合の赤字額などを提示。各自治体は持ち帰って協議することにした。

 沿線自治体会議は8月、沼田―留萌間を廃線とし、深川―沼田間の存続を求めることで合意した。この日は留萌市深川市など4市町の首長、JR北の綿貫泰之副社長らが出席し、非公開で協議した。

 終了後に取材に応じた中西俊司・留萌市長によると、沼田町からまず、存続区間を深川―恵比島(同町)とするよう要望が出された。JR北は深川―石狩沼田間の存続の試算として、年間赤字約3億円と示した。また、折り返し駅の整備費として約4千万円かかるとした。

 市町側からは「もっとコスト削減ができないか」「留萌線は(1日1キロあたりの平均利用者数を示す)輸送密度が200人未満でバス転換を求める路線になったが、深川―沼田間の輸送密度は200人以上になるのではないか」との意見が出たという。

 JR北は今後、輸送密度など求められたデータについて市町側に示す。各市町もJR北の試算を持ち帰って協議することにした。

 JR北の綿貫副社長は会議後、「留萌線については、深川―留萌間でみており、この間は鉄道をバスに転換するのが効率的な輸送形態と考えている。今回、自治体側と話し合いの場を持てたのは一歩前進」と答えるにとどめた。(本田大次郎)

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