バス協定一時停止、減便可能に 新潟市と新潟交通

高橋俊成
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 新潟市内で路線バスを運行する新潟交通と同市は、路線網維持のためにバスの年間走行距離を定めた規定を2021年度末まで一時停止することを決めた。コロナ禍による同社の経営悪化に配慮したもので、同社は減便などが可能となる。22年度以降の対応は、経営状況などを踏まえて改めて決まる。

 中原八一市長が8日、市議会の全員協議会で明らかにした。

 規定は、14年に市と同社が結んだ運行事業協定に盛り込まれており、同社がバスを年に計957万キロ以上を走らせるという内容。運行事業協定は、翌15年スタートのバス高速輸送システム(BRT)に関して結んだもので、BRTは、車両など必要な設備を市が用意▽市中心部の重複路線を集約・効率化▽余裕のできた運転士らを振り向けて郊外路線を増便――などの枠組みとなっている。

 協定は当初、今年3月末を期限としていたが、更新に関する市と同社の協議がコロナ禍の影響で進まず、暫定的に期限を9月末まで延長。その間に同社の経営が急速に悪化し、20年4~6月期決算は売上高が前年同期比47・3%減、本業のもうけを示す営業損益は10億円の赤字となった。

 これを受け、同社は、年間走行距離に関する規定の除外・凍結を市に要望。市は今回、協定自体は22年度末まで延ばす一方、走行距離規定の一時凍結を決めた。あわせて、基幹区間の新潟駅―青山(西区)の運賃は市の了承なしに変更不可という規定も、21年度末まで凍結する。同社によると、早ければ11月にも減便の可能性があるという。

 中原市長は8日の全員協議会で、「利用客が減少する厳しい状況を乗り越えることが将来のために必要と判断した。バス事業の動向を確認しながら、改めて協定の協議が必要。市民の移動手段は大事であり、今後も確保する」と説明した。

 22年度以降の対応について、市政策企画部の丸山信文政策監は「利用状況に応じて検討する」とした。一方、同社の担当者は8日の取材に対し、「運転手不足もあり、一度減らしたダイヤをまた増やすのは難しいのではないか」と話した。(高橋俊成)

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