奈良市で29日、国の観光支援策「Go　To　トラベル」について、旅行業者向けの説明会が開かれた。参加者からは近畿運輸局の担当者に対し、旅行代金の割引に使える予算額や、事業の詳細について質問が上がった。

　説明会は、県旅行業協会が主催。参加した県内の旅行業者約50人は、近畿運輸局の担当者から事業の概要や、9月から土産店や飲食店で使える地域共通クーポンなどについて説明を受けた。

　GoToトラベルの事務局などによると、GoToトラベルは旅行代金のおよそ半額を国が旅行者に還付する事業。割引に使える予算の上限は、前年度の売り上げなどをもとに業者ごとに定められているという。

　説明後の質疑応答では、参加者の男性が「予算の上限が50万円と通知された。30人の団体旅行を申し込まれたら全然足りない」と指摘。ほかにも、旅先で飲食などに使える地域共通クーポンについて「目的地が複数の場合はどうか」などの質問があったが、近畿運輸局の担当者は「国では分からない。事務局に問い合わせてほしい」と回答した。

　旅行会社を営む男性（45）は「年間売り上げが1億円を超えているのに予算は140万円しかない」とこぼし、「説明会に来ても質問の半分も回答してもらえなかった」と残念そうに話した。（渡辺元史）