JR九州は29日、今秋運行を始める観光列車「36ぷらす3」に使う車両の本格的な改造に取りかかった。特急「つばめ」として活躍した787系の車両1編成を用い、九州を周遊する観光列車に仕上げていく。

 この日、北九州市の小倉総合車両センターで、改造の様子が報道陣に公開された。車体は塗装をはがしてサビ止めをした赤茶色で、車内の床は取り外されている。作業員は車体の補修をしたり、車内で溶接をしたりしていた。

 完成時は黒地に金色の文字が入る外装になる。車内には、「つばめ」にあったカウンター付きの売店「ビュッフェ」も復活させる。

 式典も同日あり、車両の内外装を手がける工業デザイナーの水戸岡鋭治さんとJR九州の青柳俊彦社長が出席。1992年にデビューした787系や豪華寝台列車「ななつ星」もデザインした水戸岡さんは「新たな感動を提供したい」と語った。

 「36ぷらす3」は九州7県を5日間かけて走り、1日のみの乗車もできる。1日の価格(昼食付き)は個室で2万円前後、座席で1万5千円前後を想定している。(山下裕志)