臨時職員から総務部長に 2階ごと流された、あの日から

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編集委員・石橋英昭
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 山形県南部を走るローカル電車・フラワー長井線。赤間大志郎さん(51)は昨春、運行する山形鉄道(同県長井市)に入社し、総務部長に就いた。

 特に鉄道に詳しかったわけではない。第三セクターの経営は厳しく、事業計画を立てるのも楽じゃない。それでも、語学力を生かして外国人客の誘致を考え、営業に奔走する。同線は、プロレス列車や寄席列車など話題づくりで知られる。いまは天職だと思う。

 人生のレールは、いつどこで、どんな風につながるかわからない。赤間さんにとってそれは、2011年3月11日だった。

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