石川さゆりさんの胸に残る夜行列車 新幹線が変えた青森

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仲川明里
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 「津軽海峡・冬景色」が大ヒットしてから40年余り。青森をとりまく交通事情は大きく移り変わり、今では東北新幹線はやぶさ」が青森―東京間を3時間で結びます。

 東北新幹線が全線開通してから、2020年で10周年。東北新幹線にまつわる思いを歌手の石川さゆりさんに聞き、これからの青森を考えました。

いしかわ・さゆり 熊本県出身。1973年3月に歌手デビューした。「津軽海峡・冬景色」のほか「天城越え」「能登半島」などヒット曲多数。2018年に芸術選奨文部科学大臣賞、19年に紫綬褒章。日本の「俗曲」をモチーフにしたオリジナルアルバム「粋~Iki~」が2月に発売予定。

 <上野発の夜行列車 おりた時から 青森駅は雪の中>

 1977年1月発売の「津軽海峡・冬景色」(阿久悠作詞、三木たかし作曲)で、歌手の石川さゆりさんはそう歌った。

 歌詞の中の女性は東京を発って夜通し列車に揺られ、雪の青森に降り立つ。

 東北新幹線が東京―新青森間で全線開通したのは、今からわずか10年前、2010年になってからのことだ。石川さんの「津軽海峡・冬景色」がヒットしたあの頃、東京と青森のあいだには、おそらく現在からは想像もつかないほど、距離と時間が横たわっていた。

    ◇

 「津軽海峡・冬景色」は大ヒットとなり、石川さんはこの曲で初めての紅白歌合戦出場を果たす。

 石川さん自身も、繰り返し長い旅路をたどっては、何度も青森を訪れた。鉛色の空の下、冬の竜飛崎に立ち、雪の中を飛ぶカモメの姿を見つめたこともある。

 「当時の青森は今よりもっと…

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