福島)「次においでの際に返却を」2駅にゆるい本棚

戸松康雄
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 JR只見線の会津柳津駅(柳津町)と会津川口駅(金山町)の2駅の待合室に100冊余りの本を並べた本棚が置かれている。手続きなしで車内に持ち込むことができ、本棚の脇には「次においでになった際に、ご返却ください」との緩い案内が記されている。

 2021年度の全面復旧に向けた誘客策の一環として、県が10月下旬に設けた「只見線駅文庫」。県立図書館で除籍となり、利用されなくなった小説や児童書などが収められている。

 いずれの本にも巻末に紙製のポケットを付け、中に沿線の小学生によるメッセージカードが入っている。会津柳津駅の「わたしたちが孤児だったころ」(カズオ・イシグロ)には、お酒や起き上がり小法師のイラストを添えた「只見線がんばれ!」のカード、「渡る世間は鬼ばかり」(橋田寿賀子)には、列車の絵と「ありがとう只見線」と書いたカードが入っている。

 会津柳津―会津川口間は只見川の風景を楽しめる区間で、両駅は観光バスからの乗り継ぎ客にも利用されている。県只見線再開準備室の村田文夫室長は「来年2月までの実証事業だが、できればJRの協力を得て、来年度も継続し、設置駅も増やしていきたい」と話している。(戸松康雄)

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