2017年7月の九州北部豪雨で一部不通になったJR日田彦山線。復旧案としてJR九州が提案した一つ、バス高速輸送システム「BRT」を推す声が、県議会や一部住民の間で強まっている。鉄道からBRTに転換すると人々の暮らしはどうなるのか。BRTを導入した路線を記者が訪ねてみた。

 JR東日本は、東日本大震災で津波の被害を受けた大船渡線の気仙沼―盛(さかり)で13年、気仙沼線の気仙沼―柳津(やないづ)では12年に、BRTを導入した。

 駅の大半は屋根つきのバス停のようになり、トイレや待合室、バスの現在地を表示するモニターもある。車内で現金か交通系ICカードで精算する。JR九州も先進事例として着目しており、一部視察した。

 11月中旬。平日午後4時10分、気仙沼駅(宮城県気仙沼市)で盛行きのBRTに乗ったのは、海外から帰省中の夫婦2人だけ。震災前は一ノ関駅(岩手県一関市)から大船渡線で細浦駅(同県大船渡市)まで直行できたが、今はBRTに乗り換えなければならず、待ち時間も含め約40分余計にかかるようになったという。妻の熊谷理砂子さん(53)は「鉄道より揺れて不便。荷物を置く場所もない」とこぼす。

 一般道を走る区間では渋滞や一時停止、右左折もある。専用道も道路と交差する場所では、減速や一時停止をする。

 岩手県陸前高田市と大船渡市に…

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