ラピート亀裂、南海電鉄が会見 「溶接部分に負荷集中」

古田寛也
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 大阪・難波と関西空港を結ぶ特急「ラピート」の台車から相次いで亀裂が見つかった問題を受け、南海電鉄が30日に初めて会見し、これまでに見つかった大半の亀裂について「溶接部に負荷が集中して発生した」との見解を明らかにした。

 ラピートをめぐっては、2017年11月からの約2年間で、計4両から七つの亀裂が発見された。亀裂はいずれもモーターと台車の溶接部分にあった。さらに29日の緊急点検で、別の車両でもこれまでと同様の溶接部分から約6センチの亀裂が新たに見つかった。

 同社は会見で、これら八つの亀裂の大半について、溶接部にモーターの振動など負荷が集中した結果、発生したと説明。吉田実・車両部長は「台車枠の構造ではなく、製造時の溶接部分の仕上げ具合で負荷がかかりやすくなった」と話した。亀裂を修復した台車の使用を続けるが、将来的には溶接不良が起こりにくい台車に交換するという。

 ラピートは23日夕の走行中、車掌が車両連結部から金属がこすれる音を聞いた。運行終了後の24日未明に車両基地で点検したところ、モーターと台車をつなぐ溶接部分に約14センチ(深さ約1センチ)の亀裂を確認。国の運輸安全委員会が深刻な事故につながりかねない重大インシデントに認定した。運輸安全委はこの亀裂の原因について、設計や製造過程に問題があった可能性を調査している。(古田寛也)

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