「事情を知らない他県知事の発言は不愉快。JR東海は静岡県に厳しく高圧的だ」――。松井三郎・掛川市長は11日の定例記者会見で、リニア中央新幹線の建設に伴う大井川の水問題で怒りの言葉を次々と口にした。水不足で苦闘した長い歴史があり、川勝平太知事を全面的に援護する姿勢を示した。

 愛知、三重などの知事から水問題を早期解決し、リニアの予定通りの開業を求める発言が出ているが、松井市長は「地元で真摯(しんし)な協議をしている。理屈をわかっていない人が発言していいのか」と批判。JR東海には「私が県職員時代から県行政には厳しかった。最近、少し歩み寄りの姿勢が出ているが」と述べた。

 同市は水源に乏しく、上水道は大正時代に建設され、県内では熱海市に次いで2番目に古い。今は9割を大井川に依存する。地下水を利用する海沿いの工業用水も南アルプスの恩恵を受けているとみられており、水には敏感な地域だ。(長谷川智)

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