新幹線殺傷1年、安全対策は今 持ち込み刃物は梱包必須

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佐藤英彬 小川崇
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 東海道新幹線で昨年6月、乗客3人が刃物で殺傷された事件は、9日で1年を迎える。JRの安全対策はどこまで進んだのか。

 事件は週末の夜、大阪方面に向かう下り「のぞみ265号」の車内で起きた。起訴状などによると、昨年6月9日、ナイフとなたを持った住所不定、無職小島一朗被告(23)が突然、両隣の席の女性2人を襲ってけがをさせ、止めに入った会社員の男性(当時38)を切りつけるなどして殺害したとされる。神奈川県警が小島被告を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、横浜地検小田原支部が昨年11月に殺人罪などで起訴した。

 小島被告は警察の調べに「社会を恨んでいる。誰でもいいから殺したかった」などと供述。愛知県内に住む親族によると、小島被告は逮捕されてから「会いたくない」と面会を拒絶し、手紙すら受け取らない状況が続いているという。

 公判はまだ始まっておらず、事件の真相が明らかになっていない一方、国や鉄道会社は対策に追われた。

 国土交通省は省令を改正し、今年4月から乗客の手荷物として梱包(こんぽう)していない刃物を持ち込むことを禁止。対象はナイフ、包丁、はさみ、のこぎりなどで、各社が運用を始めている。

 JR東海では、車内ではさみやカッターナイフを使っていた乗客に乗務員が使用を控えるよう伝えた事例があった。いずれも乗務員の指示に従い、降車にまでは至らなかったという。

 JR西日本JR九州でも、車内を巡回する警備員の増員や乗務員の防護装備の充実などに力を入れてきた。なかでも東海道新幹線では、5月末までに警備員が全列車に同乗する態勢となった。

 JR東海の金子慎社長は5月…

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