水素が動力源のハイブリッド鉄道車両、JR東が開発へ

細沢礼輝
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 JR東日本は4日、水素をエネルギー源とする燃料電池(FC)と蓄電池を用いるハイブリッド鉄道車両を開発すると発表した。2021年度の完成をめざし、その後は約3年間をかけて安全性や走行性能の実証実験に取り組む考えだ。

 ハイブリッド車は2両編成で、最高時速は100キロ。水素と空気中の酸素を化合して電力を生み出すFCと、2次電池のリチウムイオン電池でモーターを回す。水素タンクは自動車用のものを応用し、屋根の上に設置する。

 JR東は06年、世界で初めてFCを用いた鉄道車両「NEトレイン」を開発したが、1度の水素補充で走れる距離は最長で70キロほどにとどまった。今回は高圧水素を利用することで、約140キロ走行できる見込み。実験はいずれも神奈川県内を走る鶴見線の鶴見―扇町や、南武線・同支線の武蔵中原―浜川崎で、営業列車に交じって行う計画だ。

 JR東は昨年9月、トヨタ自動車と水素活用の分野で包括的な業務連携を結んだ。今回の車両開発にあたっては、安全やハイブリッドシステムについてアドバイスを受けていくという。(細沢礼輝)

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