本多由佳
赤字路線の運行も担う公営バス。100円の収入を得るためにかかる費用を表す「営業係数」を、バス停や車内に張り出す動きが全国で広がっている。京都市バスが導入したのは9年前。路線の維持には、値上げや減便もやむを得ない場合がある――。沿線住民に利用を促すとともに、そんな現状を理解してもらいたい思惑がある。
京都市バスのバス停では春のダイヤ改定があった3月、新しい時刻表に張り替えられた。時刻表の片隅にある四角に囲われた小さな数字が、2017年度の市バスの営業係数だ。営業係数は100未満だと黒字、100を超えると赤字であることを示し、数値が大きいほど採算性が悪いことになる。
京都市バスは10年3月にバス停で利用者への周知を始めた。当初は営業係数が200を超える系統のみだったが、1年後に全系統に拡大。年に1回、春のダイヤ改定のタイミングで前年度の営業係数に更新している。
17年度決算では市バス全83…