東京メトロとスペースマーケットが作り出した地元密着型シェアリングスペース

 東京メトロとスペースマーケットが資本業務提携を結び、千代田線綾瀬駅近くにシェアリングスペース「むすべやメトロ綾瀬」をオープンした。東京メトロが持つ遊休スペースを活用し、“つながり”を創出する新しいビジネス展開を目指す。

「むすべやメトロ綾瀬」
「むすべやメトロ綾瀬」
入り口には東京メトロのマーク
入り口には東京メトロのマーク
壁に描かれた「C19」は、綾瀬駅が千代田線の19番目の駅ということに由来している
壁に描かれた「C19」は、綾瀬駅が千代田線の19番目の駅ということに由来している

 むすべやメトロ綾瀬は、綾瀬駅から徒歩2分の場所に位置するシェアリングスペース。ホワイトボードやモニターのほか、3口ガスコンロ、オーブンレンジ、ホットプレートといった備品を完備し、企業のミーティングのほか、子ども連れのパーティなどにも使える。5月末までのオープニング価格として、1時間あたり平日1500円、土日祝日が2280円で利用可能だ。

 元は地元の店舗が30年近く入居していた千代田線高架下のスペース。1年半ほど前に店舗が退去して以来、遊休スペースとなっていた。企画、運営は東京都足立区綾瀬に本拠地を構える、不動産会社ハウスプラザが担当。スペース内には、つり革や網棚、座席など、車両内で使われていた廃材を再利用しており、東京メトロらしいユニークな作りになっている。

網棚や座席、つり革など、車両内で使われていた廃材を再利用している
網棚や座席、つり革など、車両内で使われていた廃材を再利用している
リノベーション前の様子
リノベーション前の様子

 東京地下鉄 経営企画本部企業価値創造部新規事業企画担当課長の池沢聡氏は「東京メトロがスタートアップに出資するのはスペースマーケットが初めて。勉強会に登壇していただいた縁で重松(スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏)社長と知り合い、あっというまに出資まで決まった」と提携にいたった背景を話した。

 重松氏は「提携に至った理由は沿線の付加価値向上。保育園やサービス付き高齢者向け住宅などの活用も考えられるが、設営までに時間もお金もかかる。レンタルスペースであれば、空いてるスペースがあれば、すぐに立ち上げられる。今回のむすべやメトロ綾瀬も数カ月でスタートまでいたり、すでにお客様の利用実績もある」とスピード感ある運営について話した。

 今回、企画運営に地元綾瀬の不動産会社であるハウスプラザが参画しているのも特徴だ。ハウスプラザ経営戦略室室長の村上靖知氏は「レンタルスペースは、日常的に使われるため、お客様との接点が増え、不動産の流動性も上がる」とシェアリングスペースを持つメリットを話す。

 地元の飲食店から、シェアリングスペースにケータリングを提供したいというアプローチもあり、飲み物や食べ物の購入など、綾瀬の商店街への波及効果も期待できるという。

 重松氏は「借りたいスペースを選ぶ入り口はスマートフォン。そのため、駅から少し遠くても、内装が良かったり、コンセプトが優れていたりすることで、人気のレンタルスペースになる可能性は高い。駅から近くないと人気が出ないとか、渋谷や新宿などの繁華街になければだめということはない」とレンタルスペースの現状を話した。

 通勤客が主となる都心部の駅に比べ、綾瀬は住んでいる人が多く利用する地元密着型の駅。そうした特徴をいかし、期間限定のポップアップショップなどにも活用していきたいとした。

右から、東京地下鉄 経営企画本部企業価値創造部新規事業企画担当課長の池沢聡氏、スペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏、ハウスプラザ経営戦略室室長の村上靖知氏
右から、東京地下鉄 経営企画本部企業価値創造部新規事業企画担当課長の池沢聡氏、スペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏、ハウスプラザ経営戦略室室長の村上靖知氏

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