夕張支線「最後まで背中押す」 名物「駅長」務め16年

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秋野禎木
【動画】地元と線路への愛を語る南清水沢駅の村上美知子「駅長」=戸田拓、平賀拓史撮影
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 今月31日に営業を終え、廃止となるJR石勝線夕張支線(新夕張―夕張、16・1キロ)。その中間付近にある南清水沢駅では、JR北海道から業務の簡易委託を受けた村上美知子さん(70)が「駅長」を16年間務めてきた。毎朝、早朝から小さな駅舎で乗客の暮らしを見つめ、大勢の鉄道ファンとも気さくに接してきた。「自分自身が最後を見送ることが出来るのは誉れなこと。私の人生にも一つの区切りになります」

 村上さんは、かつて三菱石炭の炭鉱で栄えた夕張市の鹿島地区の出身。自宅が駅の近くにあり、小さいころからSLを見て育った。「連結器の『ガチャン、ガチャン』という大きな音や駅員さんが振る緑と赤の旗、笛の音……。みんな好きでした」。山あいの駅から石炭を積み、人を乗せて小樽へ、室蘭へと向かう黒い車両を見送った。

 村上さんが引っ越した家の近くには1962(昭和37)年開業の南清水沢駅があった。同駅の業務はその後、外部委託され、一時は女性3人が勤務する駅としても知られたという。

 村上さんは前任者が引退した2003(平成15)年夏、JR北海道から相談され、切符販売や清掃などの業務を引き受けた。

 以来、通学の夕張高校の生徒…

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