福島)夜ノ森駅舎の解体工事はじまる 1世紀の歴史に幕

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床並浩一
【動画】福島・富岡町のJR夜ノ森駅で駅舎解体工事始まる=床並浩一撮影
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 原発事故に伴って指定された帰還困難区域にあるJR夜ノ森駅(福島県富岡町、休業中)で21日、駅舎の解体工事が始まった。近くで咲き誇るサクラやツツジとともに地域の住民に親しまれた木造の素朴な駅舎は、乗客を再び迎え入れることなく、1世紀の歴史に幕を下ろし、姿を消す。

 駅舎の待合室にほぼ8年ぶりに日差しが差し込んだ。21日昼過ぎ、約10人の作業員が駅舎の側面を覆っていた厚い板をはがしていく。一枚一枚がはぎ取られると、見慣れた出入り口が姿を見せ、「浜通り」特有の冷たい風が駅舎を抜ける。切符の販売窓口の近くに下がっていたカーテンが勢いよくたなびいた。

 原発事故後、休業を強いられた夜ノ森駅。1921(大正10)年の開業時の面影を残す駅舎だけに、一部住民らから保存を求める声があがったが、JR東日本は、町が整備する東西自由通路を理由に「整備の支障になる」と解体を決定。町も建物の放射線量の高さや部材の劣化を理由に保存や移設を断念した。

 駅舎の看板や時刻表などは町…

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