東急電鉄、点検作業を公開 田園都市線で相次ぎトラブル

千葉雄高
【動画】東急田園都市線の地下区間を点検する作業員=柴田悠貴撮影
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 停電で長時間運転を見合わせた昨年10月と11月の運行トラブルを受け、東急電鉄は7日未明、田園都市線の地下区間でのケーブルなどの点検作業を報道向けに公開した。停電はいずれも地下区間の電気系統のショートで起きており、トラブル後は暗い地下の特性を考慮。従来の目視から触る点検に切り替えるなどして再発防止に努めているという。

 終電後の渋谷駅では、作業員らがホーム下のコンクリート製の覆いを外し、中にあるケーブルを点検した。従来は覆いに異常がないかを目で確認していただけだったが、現在はケーブル自体を触って異常がないかを確認している。線路沿いの壁に設置された複数のケーブルも、束ねているバンドを外して1本ずつ点検していた。

 点検方法の見直しのほか、高圧ケーブルでは詳細な点検の頻度を5年ごとから2年ごとに変更した。従来は1カ所に配置していた電気部門の作業員を、地下区間の沿線に分散配置し、トラブル時の初動を早める取り組みも始めたという。同社の伊藤篤志・電気部統括部長は「安心して乗っていただけるよう地道な作業を続けていく」と話した。

 田園都市線では、昨年10月と11月、三軒茶屋駅付近や池尻大橋駅構内のケーブルがショートし、3~4時間半にわたって運転を見合わせた。これらを含め、同線では16~17年度に、30分以上の運休となった設備トラブルが計10件発生。6件が渋谷―二子玉川駅間の地下区間で起きている。(千葉雄高)

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