リニア調査用トンネル、静岡県境から300m以内到達 JR東海発表
長橋亮文
JR東海は17日、南アルプスで山梨県側から静岡県に向けて掘っているリニア中央新幹線の「先進坑」と呼ばれるトンネルが、県境から300メートル以内に入ったと発表した。大井川の水資源への影響を懸念し、掘削に反対してきた川勝平太前知事が停止を求めてきた地点を越えた。
先進坑は、リニア車両が走行する本坑に先立って掘られる調査用のトンネルだ。本坑工事の安全性を確保するため、事前に地質や湧水(ゆうすい)の状況を把握する目的がある。
工事をめぐっては、県境付近に存在が指摘される地下水を含む断層からの湧水がトンネルから流出し、大井川の水を減少させるのではないかとの懸念が出ている。今年3月の県の専門部会で、湧水量を監視し、基準を超えた場合は掘削を中断するといったリスク管理策をJR東海が提示。専門部会が容認していた。