熊本市電事故、負傷者15人に 大西市長が陳謝「市民に申し開きできない」

熊本市電で25日に起きた電車同士の追突事故で、市交通局は27日、新たな負傷者を8人確認したと発表した。同日夕までに営業所に連絡があったという。追突された車両の運転士も含め負傷者は計15人となった。

乗客14人はいずれも追突した後続の電車に乗っていた。新たに判明した8人は首の捻挫、足や腕の打撲など。事故直後に搬送された乗客6人は、2人があばらなどの骨折。他の4人は足を縫うけがなど。

出張などのため事故後、初めて取材に応じた大西一史市長は「一報を受けて返す言葉がなかった。極めて重大、深刻な状況で市民に申し開きできない」と陳謝。自身も含む関係者の処分を検討する考えも示した。

交通局は相次ぐ事故に対応するため、安全対策チームを設置するなどしてきた。だが、今回の事故の一因に内規を上回る速度超過が挙がっているため、大西市長は「ヒューマンエラーに対応できる専門家を外部から招き、対策を取ることも検討する」と述べた。

運輸安全委員会は26日に現地調査を終え、27日は車庫で事故車両を調べた。一部運休していた市電は27日の始発から全線で運行を再開した。

(藤崎真二)

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