熊本市電同士の7人重軽傷の追突事故に九州運輸局が警告文「社会的信頼を失墜させる事故」鉄道事故調査官の調査も開始

3月25日朝に熊本市電同士の追突事故があり、乗客と運転士計7人が重軽傷を負い、病院に搬送された。熊本市交通局は九州運輸局に重大事故として報告した。

熊本市電同士の追突事故で7人重軽傷

熊本市交通局によると、3月25日午前8時半ごろ、熊本城・市役所前電停で止まっていた健軍町発熊本駅・田崎橋行きの1両編成に、後ろから走ってきた上熊本行きの1両編成が追突した。

警察や消防によると、いずれの車両にも約30人が乗車。7人が病院に搬送されたが、後ろの車両に乗っていた男女2人が骨折、男女4人が軽傷、前の車両の運転士も軽傷。

熊本市交通局は会見を開き陳謝し、熊本市交通局がドライブレコーダーを確認したところ、後続の車両の運転士のブレーキ操作に誤りはなく「ブレーキが利かなかった」と話しているという。

原因として考えられるのがレールに付着していたオイル。通常、電停に車両が停車している場合、5メートル手前で止まることになっているが、レールに車両から漏れ出したとみられるオイルが付着していたことで、滑りやすくなったと考えられるという。

国の運輸安全委員会が事故調派遣

熊本市交通局は九州運輸局に重大事故として報告。今回の事故を受け九州運輸局は、「公共交通機関としての社会的信頼を失墜させる事故であり安全輸送の確保に万全を期すよう厳重に警告する」との文書を、熊本市交通局に出した。

事故を受け国の運輸安全委員会は、鉄道事故調査官2人を派遣し、26日午前10時過ぎから熊本市交通局の職員を立ち会わせて事故の原因を調べる現地調査を始めた。

また、全線運休となった熊本市電は辛島町と水道町電停の間を除く区間で、25日午後7時ごろから運行を再開した。

利用者は「電停で待っていたら『おかしいな』と。『故障です』と言われて」や「よく事故を起こしますもんね。危ないですね。気を付けてほしい」と話した。

熊本市電をめぐっては、2024年1年間に脱線事故など計16件の運行トラブルが発生。2025年1月には専門チームを設置し安全対策に取り組んでいた。

(テレビ熊本)

© テレビ熊本