弘南鉄道大鰐線の代替交通探る会議発足

弘南鉄道大鰐線の代替交通について担当者が意見交換した検討会議

 青森県は25日、2028年3月末で実質的に廃線となる弘南鉄道大鰐線(大鰐-中央弘前)の代替交通を検討する会議を設立した。既存の路線バス(弘南バス)とJR奥羽線に、新たなバス路線や乗り合いタクシーなどを組み合わせ、公共交通網を再編する形で代替交通を整備することが基本方針。県庁で開いた初会合では県や弘前市、弘南鉄道の担当者が運行形態について意見交換した。

 検討会議は大鰐町や平川市、県タクシー協会、東北運輸局などの担当者を含め約20人で構成。弘前市が既に示している計画と同様、25年度中に運行ルートなどの大枠を決め、26年度に各交通機関の運行本数やダイヤを定めた具体案を決める。最終的には各首長の了承を得て代替交通の運行形態が正式決定する見通し。

 27年度はバスやタクシーの事業者が路線の新設を国に申請するなど、代替交通の開始に向けた手続きを進める。

 初会合は冒頭を除き非公開。県地域交通・連携課によると、弘南鉄道の駅ごとの乗降客数などのデータを示した上で、各担当者が意見交換した。

 同課の角田真士課長は会議後の取材に「バス、タクシー事業者は人手不足などで厳しい状況にあり、一つの交通機関で大鰐線と同じルートを代替するのは難しい。沿線の住民が利用しやすい持続可能な代替交通を検討していきたい」と述べた。

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