新京成へ松戸から感謝 市役所に寄せ書き続々 パネル展、名残惜しむ姿も

新京成への感謝のメッセージを多くの市民が寄せた=18日、松戸市役所

 松戸市内に8駅を持ち市民の足として親しまれてきた新京成電鉄(本社・鎌ケ谷市)が4月から京成電鉄(本社・市川市)に合併され「新京成」の名が消えることに伴い、市が17日から同市役所本庁舎1階連絡通路に設けた「新京成」への寄せ書きコーナーに、2日間で約200人の感謝の言葉が寄せられている。同コーナー脇には駅などを取り上げたパネル20枚も飾られ、多くの新京成ファンが名残を惜しんでいる。

 1955年の初富-松戸間開通により、約10キロに新京成の8駅が開業。旧陸軍鉄道連隊演習線跡地の払い下げを原点とする路線は起伏が少なく、安定した運行が市民の信頼を得てきた。4月1日からは京成松戸線として新スタートを切る。

 市が用意し、新京成の車両がプリントされた台紙には「家族のお出かけやいちごがりなど人生の一部でした!」「『行ってらっしゃい』かけてもらった言葉がステキでした」「娘の小学校入学で市に引っ越し、利用するようになりました。今年娘は小学校を卒業、新京成は一度も止まることはありませんでした」などと心のこもった感謝の言葉がずらり。新京成の車両が順次、京成の車両に置き換えられていくことから「ピンクのままでよかったのに…たぬきもかわいかった…」と「ジェントルピンク」の車両や、外観から「たぬき」の愛称で親しまれた「8000系」を惜しむ声もあった。

 「生まれてからずっと新京成の街で生きてきました」とした寄せ書きには「大人になって独立してもやっぱり新京成の街を選び、松戸市に戻ってきました。新京成と一緒に生きてこられて本当に良かった。唯一無二大好き。ありがとう」と用紙いっぱいに思いがつづられていた。

 同市役所職員の鉄道ファンで作る「鉄旅部」幹事長の栗山竜太さん(56)は取材に「1986年に世界に先駆けて通勤電車に省エネ効果の高いインバーター制御の車両を導入するなど進取の気性が地元として誇りだった。全国の鉄道ファンに自慢できた新京成。本当にありがとう」と目頭を熱くしていた。

 寄せ書きとパネル展は31日まで。集められたメッセージは京成電鉄に届ける。

「お疲れさま」「今までありがとう」。市民らのさまざまな思いが並んだ

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