
高岡市のあいの風とやま鉄道福岡駅のエレベーターの完成式は20日、同駅で行われ、県、市の関係者が高齢者や観光客の利便性が高まり、乗客増につながることを期待した。待望のエレベーター利用開始に駅周辺では福岡町地域の住民による完成を祝う会やマルシェが開かれ、乗客からは「足腰の悪い高齢者は助かる」と喜びの声が聞かれた。
あいの風とやま鉄道の沿線21駅のうちエレベーターが整備されるのは10駅目となる。従来の階段の跨(こ)線橋東側にエレベーター付き跨線橋が新たに整備された。定員は11人。ホームに視覚障害者のために、点字誘導ブロックや誘導チャイムを設置した。事業費は6.5億円。
式典で伍嶋二美男社長が「福岡駅が生活の拠点、交通の中核拠点として発展することを期待する」とあいさつ。角田悠紀市長は「利用者増へ今後も地元と連携する」と述べた。市などに要望してきた元福岡町長の石澤義文県商工会連合会最高顧問は「責任を果たせた。駅が便利になると街がひらける」と期待した。薮中一夫市議会議長、田中達也県鉄道政策局長が祝辞を述べた。関係者でテープカットが行われた。
乗客の福岡町下蓑の上野慶夫さん(76)は「高齢者にはありがたい。設備がきれいで利用者が増えるだろう」と話した。住民でつくる福岡駅利用促進協議会の完成を祝う会が開かれ、2019年に始まった要望活動の経緯などを報告した。コロナ禍前の福岡駅の1日平均利用者数は2004人で、バリアフリー法に基づく重点整備地区内の生活関連施設の駅に該当する。
