
北海道新幹線の札幌延伸に向けて再開発の工事が進むJR札幌駅。
JR北海道は3月19日、複合ビルの開業を当初より6年遅れの2034年度を目指すと発表しました。
バスターミナルは2030年度。
不便が続くことに、市民から不安の声も上がっています。

2023年8月、45年の歴史に幕を下ろした札幌駅南口のエスタ。
1か月後には隣接するバスターミナルも閉鎖され、買い物や移動などで行き交っていた大勢の人影が減りました。
この場所に新たに建設される再開発ビルは、東側の高層ビルにホテルやオフィスなど、エスタ跡地にはバスターミナルを含む商業施設が2028年度に完成予定でした。

しかし、2024年2月に「最長2年の遅れの可能性」が浮上し、2024年10月にはビルの規模縮小が検討されていました。
そして、3月19日…
「新幹線札幌開業の時期にかかわらず、(再開発ビルの全面開業は)2034年度を目指します。旧エスタと同規模の『西2丁目』を先行整備し、2030年度の竣工を目指します」(JR北海道 綿貫 泰之 社長)
JR北海道は、人手不足や資材価格の高騰などの影響で、当初より6年遅れた2034年度に全面開業を目指すと明らかにしました。

一方、バスターミナルを含む商業ビルは、利用者に配慮し2030年度に先行開業するとし、2回に分けて開業することで、工費を抑えたい考えです。
18か所に分散した臨時のバス乗り場をさらに5年ほど使うことに、市民は…
「遅いと思う。(乗り場が)野ざらしで吹雪の日は本当に困る」(バスを利用する札幌市民)
「不便だけどしょうがない。もっとハッパかけて短縮してなんて無理な話」(バスを利用する札幌市民)

待ち望んでいた北海道新幹線の札幌延伸は、早くても2038年度になる見通し。
JRは、大型の工事が同時進行していることも再開発の遅れの背景にあるとしています。
「北海道の玄関口として新幹線札幌開業を見据え、魅力ある都市空間をしっかり整備していきたい」(綿貫社長)
買い物や移動の拠点となる札幌駅前の再開発。
遅れによる影響は避けられそうにありません。