JR北海道は、2028年度の開業予定だった札幌駅南口の再開発ビルの全面開業を、2034年度に延期する見込みを明らかにしました。
井口七海記者)
「きょうも新幹線の駅の工事が行われていますが、ここに新幹線が来るのは早くても14年後になりそうです」
2030年度末から2038年度以降に大きくずれ込んだ、北海道新幹線の札幌延伸。JR札幌駅周辺の再開発も大幅に遅れることが新たにわかりました。
高さ245mの高層棟と路線バスのターミナルを含む低層棟が一体となった南口の再開発ビル。2つの区画にまたがる形で2028年度に建設される予定でしたが…
井口七海記者)
「この道路をまたがって建てられる計画の再開発ビルですが、旧エスタの場所にできるビルを先に開業する見通しであることがわかりました」
JRは19日の会見で、工事費が3700億円と当初の計画の倍に膨らむことがわかったことから、工事を2区画に分け、旧エスタ跡地の低層棟を2030年度に先行して開業し、高層棟を含む全面開業は2034年度に延期する見通しを明らかにしました。
JR北海道 綿貫泰之社長)
「建物を分割して、街区ごとに整備。(Q:新幹線の遅れと再開発との関連は?)再開発に関しては新幹線とはもう別に考えている」
経営立て直しの途上にあるJR北海道。新幹線札幌延伸の延期は大きな痛手です。
2019年度から国から財政支援を受けつづけているJR。支援は札幌開業の2030年度で打ち切られ、その後は自立して経営を図る予定でしたが、その計画は白紙となってしまいました。札幌延伸なしでどのように経営自立を目指すのか。綿貫社長は。
JR北海道 綿貫泰之社長)
「(札幌延伸の)遅れの年数だけ新幹線も赤字が続くことになる。在来線の車両の更新も含めて影響があるので精査しなければ」
井口七海記者)
「札幌駅の隣、JRの苗穂駅周辺にはJRの苗穂工場があります。老朽化していることもあり再開発を検討しています」
経営立て直し策の1つとして見られるのが築110年を超える苗穂工場の土地活用です。JR北海道は全面移転を含めたリニューアルを模索していて、再開発が進む苗穂エリアで工場の敷地を活用したマンション建設ができれば、大きな収益が見込めます。
札幌開業の延期を踏まえ、JR北海道への新たな国の支援はあるのか。19日の国会で問われた石破総理は。
石破総理)
「JR北海道自体の経営というものは成り立つためにいかなる支援が必要か、それが遅延する間、いかなる支援ができるかということは政府全体として委員ともよくお話をしながら詰めてまいりたいと思っております」
