
JR東日本の大宮駅(埼玉県さいたま市大宮区)は16日、開業140周年を迎え、駅構内で記念式典などイベントが盛大に行われた。同駅は「東日本の玄関口」として1日平均で約48万人が乗降する巨大ターミナル駅。さらににぎわいを創出する一大拠点として周辺地域の発展にも貢献している。第51代駅長の緑川清士さんは「日々の安心安全な運行はもちろん、大宮にたくさんの方が降りていただけるよう、今後も地域の皆さまと共に歩んでいきたい」と抱負を述べた。
■鉄道中心のまち
記念式典には、同駅に乗り入れる東武鉄道と埼玉新都市交通の各大宮駅長らも参加。記念モニュメントの除幕式などを実施した。また、地元大宮の劇場を拠点に活動するお笑いユニット「大宮セブン」のマヂカルラブリー、囲碁将棋など6組が勢ぞろい。駅にまつわるクイズや埼京線の駅名を順番に挙げていくゲームなどを行い、「鉄道のまち大宮」をアピールした。
JR大宮駅は1885(明治18)年3月16日、前身の日本鉄道会社(上野―熊谷駅間)の熊谷、上尾、鴻巣、浦和各駅に次ぐ県内5番目の駅として開業。現在、1日平均で約48万人が利用し、県内では最多の乗降客数を誇る。2005年3月にはエキナカ商業施設の先駆けとして「エキュート大宮」が開業。07年10月には同区大成町のJR車両解体場跡地に「鉄道博物館」が開館した。現在は駅前広場を中心とした交通基盤整備や隣接街区のまちづくりを含めた「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」なども進んでいる。
■防災拠点の役割
大手住宅情報サイトが今月発表した首都圏の「住みたい街ランキング」では、横浜に続き、大宮が2年連続の2位。昨年春に駅から徒歩約10分圏に引っ越してきたという20代女性は、「駅の近くにおいしい食べ物屋さんとか美容院などが集まっていて住みやすい」と日々の暮らしを満喫している様子。毎日都内に通勤する50代男性は「たくさんの路線が乗り入れ、どこに行くにも楽なので一度住んだらほかには移れない」と利便性を強調していた。
式典にはさいたま市の幹部をはじめ、歴代の大宮駅長らも出席。在任中に東日本大震災を経験した第47代駅長(08~13年)の中本国勝さんは「地域の防災拠点としても重要な役割を持つ。行政やほかの鉄道会社との連携を深めて、地域に欠かせない存在としてますます発展してほしい」と語った。